2007年07月09日

ブルーノート。昔、初任給。今や時給?で買える世に

今は昔、東京は新宿にマルミといふレコードをひさぐ店ありき。

レコードは高かった。
とりわけ当時の新技術、LPは高かった。

Long Playing Microgroove Non-Breakable HiFi STEREO

当時珍しかった「いかれた金持ち青年が聞く音楽、モダンジャズ」
ならば、なおさらだった。

なにしろマイナーレーベルばかりで輸入盤に頼るよりほかなかった。

1ドル=360円の固定相場制の時代。

単純計算、何でもアメリカの物は日本より3.6倍、高価だった。

おまけに関税がかかるのだから。

舶来品。という単語がステータスシンボルだった。

高度成長で所得も増えた代わり、どんどん物価が上がった昭和。
当時物価の七不思議の一つが、
どんなに物価が上がっても、タマゴとレコードの値段だけは変わらない。
と言われたものだった。

マルミのレコード1枚2500円は、当時の若者の初任給に匹敵した。

それゆえに、レコードが買えない普通のジャズファン救済のため、コーヒー代でレコードを聴かせてもらえるジャズ喫茶がおいしい商売として一世を風靡したのであった。


新宿にあった輸入レコード店「マルミ」については、故植草甚一の著書や、昭和一桁世代の皆さん方のホームページやブログに詳しいのでそちらに譲るとして。



私がジャズ入門者となった1970年代、
東芝音楽工業(のちの東芝EMI)が、「ブルーノート直輸入シリーズ」(輸入盤に東芝が日本語帯をつけて販売した)を販売し、地方のレコード店でも買えるようになったのは画期的なことだったと思う。


その後、正式ライセンスで国内プレスのブルーノートほか、ジャズでは3大レーベルといわれるプレスティージ、リバーサイドほか、サボイ、コンテンポラリー、パシフィックまでアタリマエのように販売されるようになったのはうれしい時代の変化だった。

話をブルーノートに戻すと、70年代後半から80年代初頭の一時期キングレコードにライセンスが移動したことがあった。
この時期のLPは希少価値があるということでコレクターには高値で取引もされているらしい。


1ヶ月、水だけで生き延びて、「教祖マルミのおじさん」から問答無用で買いなさい、と言われるとおりに2500円のブルーノートを買ったオールドファンの皆さんは、欲しいものは何でも限りなく安く手に入る今の情報洪水、レコード産業の廉価化、低収益構造不況産業化を、きっと複雑な気持ちで受けとめていることでしょう。


なにはともあれ、ブルーノート、1700円はうれしいじゃないですか。
posted by Jersey Bounce at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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