2007年12月25日

オスカー・ピーターソンの思いで


到底ジャズとは無縁の人々にも、「オスカー・ピーターソン?あ、ジャズの人ね?」と言わしめるほどの生き神様が、とうとう本当に天の神様となってしまった。
ほんの1ヶ月前には、彼のホームページhttp://oscarpeterson.com/news/
Wednesday, November 28, 2007
WELCOME TO MY NEW BEGINNING!
とメッセージをアップしていたのに。


私がジャズに入門した頃は、すでに時代はロック風クロスオーバージャズ全盛になっていた。
その頃、オスカー・ピーターソンは、当時乗りに乗っていたヨーロッパのスーパーベーシスト、ニールス・ペデルセン(2005年死去)と超絶技巧デュオを組んでいた。

ラジオで初めて聴いたオスカー・ピーターソンがそれだったから、私の場合は幸せだった。

ところがおかげでその後、「巷で言われるオスカー・ピーターソン必聴名盤」が、ことごとく肩透かしに感じてしまった。
   プリーズリクエスト

(ウィ・ゲット・リクエスト)は、スイングジャーナルゴールドディスク最優秀録音賞の名盤だが、我が家の貧弱ステレオではどう頑張っても、何度聴き直しても、音の良さもオスカー・ピーターソンの良さもわからなかった。

ポリドール(当時)の日本盤ではだめなのか、と輸入盤を買ってみたけれど、違いは良くわからない。
それもそのはず、そもそも最優秀録音賞は、ポリドールレコードが受賞しているのだから・・・

しかしオーディオ的な音質のよしあしよりも、ピーターソンの魅力はこんなにのらりくらりしていて良いのだろうか?
そう思ってしまった最初の肩透かし一発目。
  ザ・トリオ

これもどこがオスカー・ピーターソンの凄さなのか、よくわからない名盤だった。

みんなが良いから聴け、これぞピーターソンの名盤!と言うのに。

オスカー・ピーターソンってこんなのでいいのか?と当時の私にはハテナ印が点滅していた。
 
  シェイクスピアフェスティバルのオスカーピーターソン

おかしいなあ?おかしいなあ?と思いつづけていた私にも、少し納得できたのが、シェイクスピアフェスティバルのオスカー・ピーターソン・トリオだった。

うん、これはさすがに凄い!けれど音がずいぶん悪いなあ?

私はまだ当時は気付いていなかった。
ハーブ・エリスのギタートリオ時代と、エド・シグペンのドラム入りトリオ時代の違いを。
 
  ウィズ・リスペクト・トゥ・ナット

私の疑問符をきれいに解いてくれたのが、このレコードだった。

ナット・キング・コールばりの甘く柔らかい美声でオスカー・ピーターソンが歌を歌う弾き語り作品だから、彼の作品群としては色物際物的な位置付けだが、そもそもオスカー・ピーターソンとはどんな人物なのか?という謎解きの答えを明かしてくれるレコードだ。

そう。私がずっと肩透かしを食らったと思いこんでいた60年代ピーターソンの名盤群とは、彼がナット・コールのくつろぎを追及していた時代の傑作だった、という答えだ。
 
  オスカー・ピーターソン・クァルテット第1集

超絶技巧のオスカー・ピーターソン。つまり、ナット・コールではなく、アート・テイタムの流れに乗ったオスカー・ピーターソンはギタートリオ時代に集約されている。

この作品のギターはハーブ・エリスではなく、バーニー・ケッセルが担当している。
しかもアルビン・ストーラーのドラムも入ったカルテット編成で、ギター時代のピーターソンならではの乗りが、さらにドラムにプッシュされている。

ジェットコースターで駆け巡るオスカー・ピーターソンの世界。
聴いた後は、軽いめまいで足がふらつくほどの迫力だ。
 

東京の青山にブルーノートができてしばらくした頃、初めてピーターソンの生を目の前で聴いた。
確かトリオではなくソロだったように記憶している。
だが、そんな程度の記憶でしか残っていない。
生で元気なピーターソンが目の前2,3メートルの所にいたというのに。

私の先輩世代は、昭和27年、日劇にやってきたJ.A.T.P.(ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック)オールスターズでピーターソンを聴いていた。
そこでピーターソンの目にとまって、バークレイ音楽院へ留学したのが穐吉(秋吉)敏子さんだった。

オスカー・ピーターソン、私が天国に行くときは、またピアノを聴かせてくれるかな。
posted by Jersey Bounce at 14:57| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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