2009年06月29日

マイケル・ジャクソンのジャズ歌唱

マイケル・ジャクソンの急死は、世界中を悲しみと波紋を与えた。

ポップ・アイドルのマイケル・ジャクソンとジャズの接点といえば、クインシー・ジョーンズがアルバムをプロデュースして大ヒットになったことぐらいで、本当にマイケルがジャズを歌った作品は無い。

しかし今回、珍しくマイケル(当時15歳)がジャズを歌っているビデオ場面を発見した。
マイケルのジャズ。それも何と古式ゆかしきスイングだ。

問題の場面は1975年1月25日放送のキャロル・バーネット・ショウ。

そして歌われる曲名は、サイ・オリバー作曲、トミー・ドーシー楽団でヒットした名曲「作品第一番(Opus No.1)」(ミルス・ブラザースの歌唱にトリビュート)
そして、アンドリュース・シスターズの十八番、「素敵な貴方(Bei Mir Bist Du Schon)」


ここで6人並んでいるのは、末弟ランディ(13歳)が加わっているためだ。

YouTubeの投稿者は、8歳のジャネット、とコメントをつけている。
ジャネット・ジャクソンがランディになりすましているのか、当時身長も低くまだ声変わりをしていない13歳のランディ本人なのか、真偽はわからないが、司会のキャロル・バーネットによる紹介と、一曲目終了後に兄から「ランディ!」と声をかけられる場面を信じてここではランディ13歳説をとりたい。




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2009年04月17日

バド・パウエルも夢に見た?クレオパトラの墓

ジャズピアノの歴史を語る上で絶対に欠かすことが出来ないバップ・ピアノの父、バド・パウエル。バド・パウエルの歴史的名盤として日本ではナンバーワンに挙げられるのが「クレオパトラの夢」(ブルーノート)だ。
(原題:アメイジング・バド・パウエル第5集 シーン・チェンジス The Scene Changes / The Amazing Bud Powell, Vol. 5 / Blue Note BLP 4009)
世界で最も耳の肥えたジャズファンの国、日本ではウルサ方の御仁から鼻で笑われることも多いこのレコードだが、鼻で笑う当の御仁ですら実はこの作品でバド・パウエルを知ったり、ジャズピアノに入門した者が多い、という色んな意味でいわくつきの一枚である。

つまり「クレオパトラの夢」とは、褒めるにも貶すにも、パウエルとジャズピアノの歴史、そしてブルーノート・レーベルを語る上で絶対に無視して通り過ぎるわけにはいかない全ジャズファン必聴の一枚という位置づけだ。




さてクレオパトラは絶世の美女。絶世の美女といえばエリザベス・テイラーだ。
今ではすっかり「テイラー」と表記するのが普通になってしまったが、ここJazz・ジャズJazzyBounceではやはり当時風に「エリザベス・テーラー」と書いていきたい。
20世紀フォックス映画、クレオパトラとアントニー(アントニウスでなく、アメリカのハリウッド映画ゆえ、そして魚をおかずに米の飯を食う日本人ならアンソニー、よりもアントニー、だろう。よってここではアントニーと呼びたい)は、総天然色ワイドスクリーンキネマスコープ空前の豪華絢爛超大作!
何と言っても絶世の美男美女、エリザベス・テーラーとリチャード・バートンが演じるクレオパトラとアントニーの姿に魅了され、総勢20万人を超えるローマ帝国エキストラの数に圧倒され、クレオパトラの手練手管に感心したり悪女の見本を心に植えつけられたり、悲しい結末に涙する。

あんぐり口を開けた大シネマを見終わって、アジの開きと白いご飯を食べ、蒲団にくるまって寝る時、日本人は、嗚呼、敗戦国ニッポン・・・としみじみ思うものだった。



さて、そのクレオパトラの墓が、21世紀になった今、ようやく特定、発掘されることとなった。

クレオパトラは紀元前の人だから、約2200年誰にも気づかれずに眠っていたことになる。

墓で眠っている間に、クレオパトラはどんな夢を見ただろうか?
女王として君臨したからには、後世まで伝説が語り継がれることは想像していたに違いない。とはいえ、20世紀に生まれたアメリカ黒人のジャズという新しい音楽ジャンルで、ピアニストのバド・パウエルに作曲されるとは思わなかったろう。
そして21世紀になって、自分の墓が発掘されることなど夢にも思わなかったろう。

1966年にこの世を去ったバド・パウエルは、63年封切の「エリザベステーラーのクレオパトラ」をおそらく観ていたはずだ。
自分の作曲した「クレオパトラの夢」と、映画で使われたアレックス・ノースの大スペクタクル音楽を比べながら観たのだろうか。


精神疾患に悩まされ続けたパウエルは、普通の人よりも多くの夢を見たに違いない。

モダンジャズという全く新しい音楽の新境地を切り開いたイマジネーション豊かなパウエルのこと。21世紀の未来にクレオパトラの墓が発見されることは、もしかしたら夢で見ていたのかもしれない。





http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090416-00000052-jij-ent
クレオパトラの墓、発見近い?=アレクサンドリアの古代神殿で発掘調査へ
ヤフーニュース・時事通信社
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2008年03月31日

女性ジャズオーケストラの歴史

ジャズ、やるべ!
21世紀、日本の田舎の女子高生ジャズオーケストラが、突如脚光を浴びることになった「スイング・ガールズ」。

所ジョージの「日本全国吹奏楽部の旅」人気と相俟って、大変な社会現象にまで成長できたことは大変嬉しいことだ。

吹奏楽部に男の子が入部しなくなったのはいつの頃からだろうか?
「吹奏楽部」というと、女子ばかりだが、「ジャズ研究会」ビッグバンド、というと、依然として男の世界である。

−−−−−−−−−

そんな男の世界、ジャズの中にあって、女性もきらめきの活躍を歴史に残している。

その際、ジャズ・ヴォーカルの世界は別扱いにしなければならない。
あくまで、器楽としてのジャズに限定しないと意味がない。

It don't mean a thing if it ain't got that swing by instrumentation.


ピアノも弾けて歌も唄えるラヴィー・オースティンや、サッチモ(ルイ・アームストロング)の最初の妻、リル・ハーディンのバンドが最初の女性リーダーバンドとして1920年代の歴史に残されている。
しかしこれらはリーダーのみが女性で、手駒となるメンバーは腕っこきの男性メンバーを従えているところが、ジャズの歴史から女性がはじかれている負の歴史になるのかもしれない。

有名どころではスイング時代のメリー・ルー・ウィリアムス然り、モダンジャズ期の穐吉敏子オーケストラ(秋吉敏子オーケストラ)然り。

通好みで行けば、ベリル・ブッカー(ピアノ) Berill Boker(p)、マギー・ハイアムス(ヴァイブ) Maggie Hyams(vib)、バーバラ・キャロル(ピアノ) Barbara Carroll(p)、メリー・オズボーン(ギター)Mary Osborn(g)、然り、近年ではジェリ・アレン(ピアノ)(Geri Allen)然り。

これらに共通するのは、すべて、「女伊達ら」、「紅一点」、「主張する女性」というテーマである。



女性ばかりのジャズ・オーケストラ、として、私達日本の庶民に一番親しみ深いのが、マリリン・モンロー主演、ジャック・レモン、トニー・カーティス助演のコメディ映画「お熱いいのがお好き」”SOME LIKE IT HOT”だろう。


ここで、助演のジャック・レモンとトニー・カーティスは、女装に徹したニセの男性ジャズメンとして登場する。

それがモンロー主演の「お熱いのがお好き」の伏線となっている訳だが。

さて、
本当に女性だけで構成されたジャズ・オーケストラ(ビッグバンド)とは、どんなものなのか?

ジャズの歴史上では、白人女性、アイナ・レイ・ハットン(Ina Ray Hutton)のオーケストラ「アイナ・レイ・ハットンのメロディアーズ」(Ina Ray Hutton and her Melodears)がもっとも有名だ。
曲名:ハットン・クラブ・シェイク

Ina Ray Hutton and her Melodears - Hutton Club Shake


スイング時代当時のジャズクラブの入場風景が垣間見れる貴重な資料でもある。



テルマ・ホワイトのビッグバンド
Thelma White and Her All-Girl Orchestra
(曲名:チューチュー・ブギー)(Choo choo Boogie)



当時、「ホット・ジャズ」の対極にあるとされた「スイート・ジャズ」においては、フィル・ストーニーのガールズ・オーケストラ(Phil Stalny's Girl Orchestra)があげられるが、これは男性リーダーのストーニーが女性を売り物にした商業主義的な例であり、音楽史的なジャズとしては蔑視されている。しかし、ジャズにおける女性プレイヤーの活躍として見逃すわけには行けない。
曲名:タイガー・ラグ
(Tiger Rag)
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2008年03月08日

フリージャズの究極は芸術の究極

ジャズが嫌いな人は、楽譜にない音を出すことを徹底的に嫌う。
これは「楽譜ルールの美学」だから、見解の相違で仕方がありません。
楽譜派と即興派で、それぞれお互いの道を極めていきましょう♪

ところがジャズに関心あるけれど、ジャズがよくわからず悩んでいる人。
即興演奏、という意味まではわかるけど、じゃあ実際どうやればいいのか?
クラシックのピアノは習ったけれど、アドリブでジャズピアノはどうしても弾けない。
こういう悩みを持つ人がほとんどだということがわかりました。

アドリブで「ジャズピアノ」は弾けないけど、
メチャクチャで「フリージャズ」なら弾けますよ♪

と明るく冗談で言ってくれる人もたくさんいることがわかりました。

その一方で、筋金入りのジャズの人でさえ、
「それはメチャクチャだろ!ちゃんとジャズをやれ!」
と怒り出す人も多いことがわかりました。


モーツアルトは即興でどんどん演奏して、それを楽譜に書きとめるような形で作曲していきました。

ジョン・ケージは、そこに何か物があることだけで音楽になることを示しました。

ロックの時代になると、舞台で楽器をぶち壊すパフォーマンスが喜ばれました。

モーツアルトの時代、建国されるかされないかぐらいのアメリカはジャズの誕生まであと百年待たなければなりませんでした。

百年後、楽譜は読めないけど楽器の腕なら達者なアメリカ黒人が、自分の耳と感性だけで見よう見まね、自由な即興演奏することで、自然発生的にジャズが生まれていきました。

ジャズはその後、一生懸命楽譜を勉強する音楽に成長していきました。

すでにジャズという音楽の存在をよく知っていたケージは、楽譜が読めなかった黒人が発明した「自由な即興ジャズ」では、まだまだ手ぬるい、と思っていたかもしれません。

舞台でギターをぶち壊して、視覚的にお客さんも自分も興奮させたロックスター達は、あとで自分のライブレコードを聞きなおしても楽器の壊れる過程が音の変化としてうまく成り立っていないことに悩んでいたかもしれません。
yamashitapianoburning.jpgこれらをすべて実現したのが、
山下洋輔のピアノ炎上と言えましょう。

もともと即興のジャズ。
ジャズの即興がさらに究極化されたフリージャズ。
フリージャズの第一人者、山下洋輔。

火がつき、燃え広がる視覚的要素。
燃え広がり方と同様に、だんだん激しくなる音楽。

観客と演奏者、両方の精神的興奮。

徐々に壊れていくピアノが発する不完全な音。
ケージが発明したふしぎな音が出るプリペアードピアノと、ケージが発明した偶然音楽を、さらに推し進めた楽器こそが山下洋輔の発明、燃えゆくピアノです。

そして火勢が強くなるにつれて、何も音が出なくなる
視覚要素と聴覚要素の反比例。
いつ壊れていくかわからない偶然性。
自分も火から逃げなきゃならない偶然性。
これらの音楽的反映。

しかも、燃えるピアノが持つ本当の芸術性は、
隆盛と滅びの美学
この具体的な提示でもあります。

そう、具体音楽、ミュージックコンクレート。
偶然音楽と対立的・補完的に進んだ現代音楽ミュージックコンクレートですが、
火の音、破壊時の物理的な音が加わる山下洋輔も燃えるピアノは、
それさえも含んでいる、美術、音楽、美学哲学、エンターテイメント、すべての結晶かもしれません。




 世界的に活躍するジャズピアニストの山下洋輔さんが8日午後5時から、石川県志賀町の増穂浦海岸で、実際に燃えるピアノを弾く「ピアノ炎上2008」に挑む。雨天時は翌日に実施。

 山下さんは昭和48年にも燃えるピアノを演奏。金沢21世紀美術館で先月、当時の様子を記録した実験映像「ピアノ炎上」の前で演奏した際に触発され、再び挑戦することになった。

 35年前は、消防士のヘルメットをかぶり炎上ピアノを演奏。山下さんは「リハーサルは不可能。自分でも結末の予想がつかない真剣勝負にならざるを得ない」と熱くコメントしている。
産経新聞社03/07 22:41
ジャズピアニストの山下さん、再び「ピアノ炎上」


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2008年02月03日

7歳のジャズピアニスト!アリエルくん



チャーリー・パーカーが作曲した、モダンジャズの名曲「オーニソロジー」を弾いているのは7歳のジャズピアニスト!アリエルくん


天才児アリエルくんは、生まれたときから音楽の才能を与えられていた。

クラシックの楽聖ヴェルディ、
モダンジャズの教祖セロニアス・モンク、
モダンスイングのトランペッター、ハリー”スウィーツ”エジソン、
豪快なバップピアノの名手、ジュニア・マンス
アリエルくんは、彼らとおなじ10月10日生まれという。




アリエルくんのサイトはこちら!
http://www.arielpiano.com/

タグ:アリエル
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2007年12月25日

オスカー・ピーターソンの思いで


到底ジャズとは無縁の人々にも、「オスカー・ピーターソン?あ、ジャズの人ね?」と言わしめるほどの生き神様が、とうとう本当に天の神様となってしまった。
ほんの1ヶ月前には、彼のホームページhttp://oscarpeterson.com/news/
Wednesday, November 28, 2007
WELCOME TO MY NEW BEGINNING!
とメッセージをアップしていたのに。


私がジャズに入門した頃は、すでに時代はロック風クロスオーバージャズ全盛になっていた。
その頃、オスカー・ピーターソンは、当時乗りに乗っていたヨーロッパのスーパーベーシスト、ニールス・ペデルセン(2005年死去)と超絶技巧デュオを組んでいた。

ラジオで初めて聴いたオスカー・ピーターソンがそれだったから、私の場合は幸せだった。

ところがおかげでその後、「巷で言われるオスカー・ピーターソン必聴名盤」が、ことごとく肩透かしに感じてしまった。
   プリーズリクエスト

(ウィ・ゲット・リクエスト)は、スイングジャーナルゴールドディスク最優秀録音賞の名盤だが、我が家の貧弱ステレオではどう頑張っても、何度聴き直しても、音の良さもオスカー・ピーターソンの良さもわからなかった。

ポリドール(当時)の日本盤ではだめなのか、と輸入盤を買ってみたけれど、違いは良くわからない。
それもそのはず、そもそも最優秀録音賞は、ポリドールレコードが受賞しているのだから・・・

しかしオーディオ的な音質のよしあしよりも、ピーターソンの魅力はこんなにのらりくらりしていて良いのだろうか?
そう思ってしまった最初の肩透かし一発目。
  ザ・トリオ

これもどこがオスカー・ピーターソンの凄さなのか、よくわからない名盤だった。

みんなが良いから聴け、これぞピーターソンの名盤!と言うのに。

オスカー・ピーターソンってこんなのでいいのか?と当時の私にはハテナ印が点滅していた。
 
  シェイクスピアフェスティバルのオスカーピーターソン

おかしいなあ?おかしいなあ?と思いつづけていた私にも、少し納得できたのが、シェイクスピアフェスティバルのオスカー・ピーターソン・トリオだった。

うん、これはさすがに凄い!けれど音がずいぶん悪いなあ?

私はまだ当時は気付いていなかった。
ハーブ・エリスのギタートリオ時代と、エド・シグペンのドラム入りトリオ時代の違いを。
 
  ウィズ・リスペクト・トゥ・ナット

私の疑問符をきれいに解いてくれたのが、このレコードだった。

ナット・キング・コールばりの甘く柔らかい美声でオスカー・ピーターソンが歌を歌う弾き語り作品だから、彼の作品群としては色物際物的な位置付けだが、そもそもオスカー・ピーターソンとはどんな人物なのか?という謎解きの答えを明かしてくれるレコードだ。

そう。私がずっと肩透かしを食らったと思いこんでいた60年代ピーターソンの名盤群とは、彼がナット・コールのくつろぎを追及していた時代の傑作だった、という答えだ。
 
  オスカー・ピーターソン・クァルテット第1集

超絶技巧のオスカー・ピーターソン。つまり、ナット・コールではなく、アート・テイタムの流れに乗ったオスカー・ピーターソンはギタートリオ時代に集約されている。

この作品のギターはハーブ・エリスではなく、バーニー・ケッセルが担当している。
しかもアルビン・ストーラーのドラムも入ったカルテット編成で、ギター時代のピーターソンならではの乗りが、さらにドラムにプッシュされている。

ジェットコースターで駆け巡るオスカー・ピーターソンの世界。
聴いた後は、軽いめまいで足がふらつくほどの迫力だ。
 

東京の青山にブルーノートができてしばらくした頃、初めてピーターソンの生を目の前で聴いた。
確かトリオではなくソロだったように記憶している。
だが、そんな程度の記憶でしか残っていない。
生で元気なピーターソンが目の前2,3メートルの所にいたというのに。

私の先輩世代は、昭和27年、日劇にやってきたJ.A.T.P.(ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック)オールスターズでピーターソンを聴いていた。
そこでピーターソンの目にとまって、バークレイ音楽院へ留学したのが穐吉(秋吉)敏子さんだった。

オスカー・ピーターソン、私が天国に行くときは、またピアノを聴かせてくれるかな。
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2007年12月23日

ウディ・アレンのニューオリンズジャズバンド



2007年12月21日、ブリュッセル(Brussels)のコンサートホールBozarでクラリネットを演奏する映画監督のウッディ・アレン(Woody Allen、中)と、「Woody Allen and his New Orleans Jazz Band」のメンバー達

allenBILD_18380_1.jpgはずかしながら、私はまだウディアレンのクラリネット演奏を聞いたことがない。

しかしながらこの風貌、尖ったあごがトレードマークだったウディも年を取ってしもぶくれになったのか?ベニーグッドマンとそっくりになってきた感じがする。
映画ベニィグッドマン物語は、クラリネットが吹けない顔ソックリさんのピアニスト、スティーブ・アレンが演じたが、もしリメイク版ベニィグッドマン物語を制作するならば、本当にクラリネットが吹けるウディ・アレンが適役にちがいない。
もちろんウディが監督兼俳優だ。
しかし流麗無比なグッドマンスタイルのクラリネットは、誰かが代役で吹いてあげることになるのだろうか。

Woody Allen and His New Orleans Jazz Band
Woody Allen (Clarinet), Musical Director Eddy Davis (Banjo), Conal Fowkes (Double Bass) , Robert Garcia (Drums), Cynthia Sayer (Piano), Simon Wettenhall (Horn) and Jerry Zigmont on Trombone.
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2007年11月08日

長野の小学校が担う未来のジャズ

エキサイトニュース
小さな音楽家が集う、長野の小さな学校のフシギ
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091194227447.html


第26回全日本小学校バンドフェスティバル予選 東海小学校バンドフェスティバル」において、思いがけない「宝物」を見つけた。

どのチームも揃いの衣装に、ピッタリ呼吸をあわせて大勢で演奏する様は見事だったが、そんななか、現れたのは、トレーナーにジーパンなど地味ないでたちの、少人数の団体。
だが、ひとたび金管の演奏が始まると、誰もが目をみはり、息をのんだ。

曲目はジャズのスタンダード『アイ・ガット・リズム』。主旋律1分程度の曲を、金管の各パート奏者たちが、ソロなどでつないでいく構成なのだが、こどもたち一人一人のスキルが、いやに高い。ノリノリのリズム感、舞台度胸の良さ、舞うように楽しそうに指揮をする先生、どれをとっても「只者ではない」趣だった。

聞くと、この「長野県上田市立西内小学校」は、金管の全国大会常連校だそうだが、もしかして、非常に厳しい練習についてこられた、わずかな子だけが大会に出るシステムなのだろうか。
強さの秘密を、校長先生に聞いてみた。

「西内小学校は、17、18年度と全国大会に行き、18年度は全国大会で『グッドサウンド賞』もいただきました。でも、それまでは県大会どまりで、東海大会に出場できたのも17年度が初めてで、『井の中の蛙だから、素晴らしいサウンドを聴いてくるつもりで、思い切ってノリノリでやってこよう』と言っていたんですよ」
実はこの成績は、近年、うなぎのぼりに築いたものだそうだが、気になる児童数は?
「全校児童は79名です。そのうち、金管をやっているのは5〜6年生全員の26名で、特別支援(特別学級)の子も含めて全員参加としています」

大会に出場する他の多くの常連校が、部活のように、選ばれたメンバーで出場となっているのに対し、ここはなんと「全員参加」とのこと。
「そもそも学校目標は、『知恵と粘りと思いやり』で、その中の一つとして、具現化したものが、全員参加の金管バンドだったんですよ」

当然、練習方法も、「厳しい練習→ついてこられるものだけで大会参加」のイメージからはほど遠く、
「基本は登校日の朝7時半から8時10分まで。特に大会前や講習会があるときは、土日練習があることもありますが……こどもたちは本当によく練習してますよ」と、実にほのぼの。

そんな彼らには、近隣などからの演奏依頼が多く、土日を中心に、年間20数回は演奏会に出向いているのだそう。

ところで、大会で演奏した『アイ・ガット・リズム』の選曲理由を聞くと、校長先生はこう語った。
「どうしても過疎化している学校ですから、大集団の迫力に匹敵するには、一人一人のクリアなサウンドを響かせるしかないんですよ。ジャズなら、ソロを活かせるから」
ちなみに、西内小学校では、1年生が鍵盤ハーモニカ、2年生がリコーダー、4年生はアルトリコーダーといった具合に、全学年でそれぞれ毎日ハーモニーが流れているそうだ。


なんとまあ、すばらしい小学校でしょう!
校長先生の弁を見る限り、どうやら校長さんが粋でホンモノのスイングファンと見えます。
吹奏楽畑の先生なら、インザムードかシングシングシング専門でしょうから。


はじめてこのブログをご訪問されたジャズをあまりご存知ない方の為に、ジョージ・ガーシュイン作曲アイガットリズム( I GOT RHYTHM )とはどんな曲か、こちらで聴いていただくことも可能です。

I GOT RHYTHM 試聴用MIDI

1933年(昭和8年)ミュージカルのガール・クレイジー[Girl Crazy]のためににできたこの曲は、のちにモダンジャズ時代に入ると、多くのバッパーがこぞってこのコード進行をそっくりそのまま拝借した「着せ替え曲」を大量生産することになりました。

コード進行と歌詞はこちら

ガンサー・アンダーソンさんの趣味のページより
http://www.guntheranderson.com/v/data/igotrhyt.htm

アイ・ガット・リズムは、典型的な「32小節」「循環コード」の元祖といわれて、モダンジャズの今の時代でも、必修練習曲のひとつとして非常に重要な曲です。
しかし、その際には、元曲の最後尾にある2小節のおまけ(これをタグという)を省略してしまうことがほとんどですが、モダンジャズしか聴かない方は、この試聴曲にある「タグつき」の古風な終了方法に注目してみてください。
つまり、本当のアイ・ガット・リズムは、32小節ではなく、34小節だったのです。

1943年に、作曲者ジョージ・ガーシュイン本人がピアノを弾いた「アイ・ガット・リズム」の貴重な映像はこちらで鑑賞できます。

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2007年09月27日

チャーリーズ・エンジェルスに魅了された時代



フランス通信社の日本語版ニュースサイトを見ていたら、ショッキングなことが・・・

ジャズとは無関係ですが、女優のファラ・フォーセットが、「再発したがんの治療をドイツで受けることが明らかになった。」と知って。

しかも、それは再発だというじゃありませんか。

「Bunte」によれば、フォーセットさんはフランクフルト大学(Frankfurt University)病院で化学療法を受けると同時に、バイエルン(Bavaria)州バート・ヴィースゼー(Bad Wiessee)の病院でも別の治療を受けるという。

 フォーセットさんは2006年10月に腫瘍摘出手術を受け、今年2月には完治の診断を受けていた。しかし「Bunte」は5月に大腸がんが再発したと報じた。(c)AFP


チャーリーズ・エンジェルは悪をやっつける最強の絶世美女の三人組ですが、中でも史上世界一セクシーなブロンド、ファラが一人で人気を支えていたと言えそうです。
これまた地上最強改造人間600万ドルの男、リー・メジャースと夫婦で、世界中から羨ましがられた格好いいカップルでした。

その頃わたしが何をしていたかと言うと、まだ家庭用ビデオが普及していなかったので、テレビ画面を一生懸命カメラで撮っていました。

一本の同じフィルムの中に、チャーリーズ・エンジェルのジル(ファラの役名)の艶姿と、渡辺貞夫カルテットと、深夜番組11PMのエンディングに登場する杉原淳とサラブレッズが一緒くたに入っていたのを思い出しました。

チャーリーズ・エンジェルと同じ頃人気だったのが、白バイ警官ジョン&パンチ。
こちらは、音楽担当がJ.J.ジョンソン、の氏名でドーン!と表示されていたのをはっきり覚えています。
JJのクレジット画面で、白バイが全開フルスロットルになるのですが、そこにはKAWASAKIの刻印あざやかなエンジンがクローズアップになりました。

大富豪の私立探偵チャーリーの抱えるエンジェルで一番人気、ジルの愛車は、白いフォード・マスタングでしたが、ジョンとパンチが所属署から支給された白バイは、メイドインジャパンの川崎重工製だった、というのが当時のわたしの妙にウキウキした思い出です。
今思えば、1970年代から警察では高くて故障の多い国産車ではなく、安い日本製白バイでコストカットをしていたんだな、とか、輸出拡販を狙う川崎重工が人気番組とタイアップしたんだな、等夢の無い現実論ばかり考えてしまうのが何とも・・・。


しかしフランス通信社の引用写真は、60代にさしかかるファラですが、30年以上同じライオンのたてがみのように豪華なレイヤードスタイルのブロンドは、そのまま続けているのには感激です。

毎回奇跡で悪者退治をしてきたエンジェルのジル、度重なって襲いかかるガンに、必ず今度も勝ってほしい!
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2007年09月04日

日本企業ソニー。大レーベルの歴史に残した汚点

超寡占的「世界最強レコード会社」は成立するのか?
http://jazzy-bounce.seesaa.net/article/48433705.html
この項でも少し触れたように、かつての常識では考えられないほど、世界のレコード会社地図が21世紀に大きく塗り替えられている。

大レーベルの歴史で、つねに敵対するライバルだった、RCAビクターと、CBSコロンビア。

その歴史ある2大レーベルが、戦後に日本で生まれたソニー(かつて、東京通信工業、略して東通工と呼ばれた)によって、一つの会社にまとまってしまったのだから世界中のレコードファンは目を見開いて何度も擦った。

これがレコード産業の歴史で、正夢だったのか、悪夢だったのか、最初の大きな汚点について話そう。

レコードがCDに取って代わって、その後にパソコンが登場。そこで自由にコピーが出来るようになってしまうとは、レコード産業界に想定外の災厄だった。

各社とも業界あげて不正の防止に乗り出すのは当然の帰結だ。
ところがソニーの経営傘下に入ったCBSとRCAレーベル(ソニーBMG)は、本来の不正防止の概念を逸脱した大変な間違いを経営決断してしまった。

不正防止のために、とパソコン再生用に特別にソニーBMG製CDに組み込まれたソフトウエアが、パソコン本体を乗っ取ってしまう働きをする「ルートキット」という方式を採用したのだ。

このソニーBMG製CDのうち、ジャズがどれぐらいあるか、ネット上で公表されているのは、
Horace Silver Quintet, Silver's Blue (Epic Legacy)
「シルバーズ・ブルー」ホレス・シルバー(エピック)

Gerry Mulligan, Jeru (Columbia Legacy)
「ジェルー」ジェリー・マリガン(CBS)

Dexter Gordon, Manhattan Symphonie (Columbia Legacy)
「マンハッタンシンフォニー」デクスター・ゴードン(CBS)

の文字が見える。

TreyFrontEnlarge_25.jpg

TreyBackEnlarge_25.jpg
これらの表示の有無で、パソコン乗っ取り「ルートキット」CDか否かの判断ができる。
心配なジャズファンは、まずこれで確認できる。

なお、再生機能しかない旧来のCDプレイヤーを使う限りは、乗っ取りの危険は生じないので安心だ。


パソコンに詳しい方は、こちらのホームページを参照

FAQ:ソニーBMG製「rootkit」CD問題のおさらい
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20090811,00.htm

EEF:DeepLinks
http://www.eff.org/deeplinks/archives/004144.php
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2007年09月03日

ジャズ楽器の略号表

わかるジャズ
http://members.at.infoseek.co.jp/altosax/
より

楽器の名前、いちいち書いていると、結構大変です。
実はジャズ界ではうまく略号を使っています。
ブラスバンドをやってる人はよく知ってるかな。
ジャズのCDを買うと、メンバー紹介には必ずこれらの記号が使われています。
「わかるjazz!」でもこれからよく出てきますので、メモしておいて下さいね。
−−−−−−−−
●金管楽器
(tp)トランペット
(cor)コルネット
(トランペットより丸っこくて地味な音が出る)
(flh)フリューゲルホルン
(コルネットよりさらに丸く大きい。ぽわーんと柔らかい音が出る)
(frh)フレンチホルン
(いわゆるふつうのホルンですね)
(tb)トロンボーン
(v-tb)ヴァルブトロンボーン
(トランペットみたいなピストンがついてる)
(b-tb)ベース(バス)トロンボーン
(ふつうのトロンボーンより1オクターブ下が出る)
−−−−−−−−
●木管楽器
ここに出てくるフルート以外のものは全部ひっくるめて「リード楽器」とも言います。
リードという葦の小さな板で音を出しているからです。
(ss)ソプラノサックス
(as)アルトサックス
(ts)テナーサックス
(bs)バリトンサックス
(cl)クラリネット
(b-cl)ベース(バス)クラリネット
(fl)フルート
−−−−−−−−
●リズムセクション
(p)ピアノ
(el-p)エレキピアノ
(g)ギター
(el-g)エレキギター
(通常は特にことわらなくてもgと書けばエレキギターのことですが)
(bjo)バンジョー
(b)ベース
(el-b)エレキベース
(ds)ドラムス
(perc)パーカッション
(ドラムス以外の打楽器は全部ひっくるめてパーカッションと呼びます)
−−−−−−−−
●その他の楽器
(org)オルガン
(synth)シンセサイザー
(vln)ヴァイオリン
(vib)ヴァイブラフォン
(日本ではふつうビブラフォンって言うよね。でもジャズはアメリカの発音で、ヴァイブって呼ぶのが常識なんだ。)
−−−−−−−−
(vo)ヴォーカル
(arr)アレンジ(編曲)
−−−−−−−−


この他に
(sn)ソプラニーノ・サックス
(misc) 分類不能なその他の楽器 というのが加えられてしかるべきだろう。
タグ:楽器略号
posted by Jersey Bounce at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

上原ひろみちゃん(p)おめでとう

上原ひろみ(p)さん、まだあどけない表情が残る彼女は、いつまでもひろみちゃん、という感じだが、お嫁に行くことになった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070903-00000101-sph-ent
日本の女流ジャズピアニストというと、穐吉敏子さんにはじまって、ずっと男勝り、という印象が強い。

もちろんひろみちゃんも、プレイは目をつぶって聴く限り、女性とは思えないダイナミックなアタック、かつ、歴史的に名を残すべき超絶技巧の持ち主だ。

麗しき女性に失礼にあたるかもしれないが、男勝りなプレイが売り物の女流ピアニストは、ほぼ比例して佇まいも男っぽいというか、ワイルドにセクシーだ。

ところが、ひろみちゃんは、ピアノの鍵盤に指を置かない限りは、いつまでたっても、可愛い女の子なのだ。


あるライブ会場でのこと。
例によってひろみちゃんは、アート・テイタムと、バド・パウエルと、オスカー・ピーターソンと、フィニアス・ニューボーンJr.と、ポール・スミスと、チック・コリアと、チューチョ・バルデスが合体したような超絶プレイを披露した。

インターミッションで、ステージを降りたひろみちゃんは、どこから見てもただその辺にいる普通の東洋人の女の子。

興奮したあるお客さんが、こう言った。
「さっき、キミと同じぐらいの女の子が、すっごいグレイトなピアノを弾いてたんだよ! 見てたかい? 次にまた弾くから、見て御覧なさい!」

ひろみちゃん、「それは私です」と言う機会も与えられず、ひたすら感激してしゃべりまくるお客さんを相手に、「はあ!すごいんですね〜!」と相槌を打つのがやっとで、大笑いをこらえながら早々に退散した。

ダイナミックで世界の歴史に名を刻むであろうひろみちゃん、お嫁さんになっても、ウン十年後のおばさんになっても、飾らないキュートな笑顔と、素朴なユーモアをKeep Swingin'!

posted by Jersey Bounce at 11:25| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月24日

天才富樫雅彦さんの訃報


私がジャズを好きになった頃、渡辺貞夫カルテットが憧れの的だった。
そして私もアルトサックスを志した。

去年、ピアノの本田竹広さんが亡くなった時も非常にショックだったが、今度はドラマー富樫雅彦さんが天に召された。

私がジャズを聴くようになってからは、もう既に車椅子の富樫さん、だった。
そして、時代が時代だったためか、実験的、創作的な作品に没頭されていたので、おはずかしながら富樫雅彦作品を論じられるほどには聴いていなかったことを、今になって悔やまれる。

でも、その頃、貧乏学生には非常に嬉しいFM放送が沢山有って、毎週楽しみにしていたものだった。
その筆頭が、資生堂がスポンサーになったFM東京の「渡辺貞夫マイ・ディア・ライフ」だった。
DJ小林克也さんの声も格好よい憧れだった。


すでに前衛派パーカッショニストで通っていた富樫さんが、フュージョンに傾きつつあった渡辺さんとは絶対に合わないだろうと思いこんでいたところ、
ある週のマイ・ディア・ライフで古巣ナベサダカルテットに里帰り、バップを演奏する、という特集があり、今でも大切にカセットテープに保管してある。

脚がつかえず上半身だけでどう演奏するか、という事実をいかにして音で聞き分けられるか、そんなことばかりが私の興味の対象だったのが卑しい限りだったが、今思うと涙が零れ落ちてしまう。


夕刊フジの記事に、これまた涙を誘うこぼれ話が紹介されていた。

8月24日 17時00分 更新

ナベサダら語る…富樫雅彦さん天才ドラマー伝説

Copyright 2007, TheSankeiShimbun.
 22日、心不全で亡くなったフリージャズの天才ドラマー、富樫雅彦さん(享年67)。身内だけの密葬では出棺の際、かつてカルテットを組んだ渡辺貞夫(74)がサックスを吹いて見送った。

 「ドラマーとして足が使えなくなるという大きなショックもあったが、その後もパーカッション、作曲家として生きた彼の生き様は音楽一筋だった。僕にとっては生涯の友」としんみり渡辺は話した。

 14歳でドラマーとしてプロデビュー後、ピアニスト、佐藤允彦(65)らとトリオなどで活躍する中、事故に遭い30代で下半身不随に。

 ドラマーとしては致命傷だった。精神的に落ち込んだが、“富樫の坊や”とかわいがった先輩たちの励ましで、パーカッショニストとして蘇る。

 後にパーカッションの弟子となった横山達治(55)は、意外な趣味の思い出を語った。

 「音楽に関しては繊細で純粋。厳しい方でしたが、離れるとさっぱりとした男らしい方でした。思い出は、師匠の車いすを押しながらの蝶の収集ですね。西表島ではハブを、千葉ではマムシをまたいで幻の蝶を捕った。見せると『ありがとう…』って泣きだしたりね。山形で獲った幼虫を大切に持ち帰ったら、ハエになって大爆笑したこともありました」

 虫取り網を持つ富樫さんは「あっちだ、こっちだ」と、時には車いすごと転がって、子どものようにはしゃいでいたという。

 晩年は体調不良から演奏活動をやめ、創作に力を注いだ。ピアニストの山下洋輔(65)は、「富樫さんに作ってもらった曲だけは“気に入ってもらえるかな”って考えて弾いてる。バッハの曲でもそう考えたことはないけどね」と、その才能を惜しむ。

 最後に会ったのは先月中ごろ。「いつもは“洋輔”と呼ぶのに、ジッと僕を見ながら、“山下洋輔さん”ってね…」。言葉を詰まらせた。

 富樫さんは若いころ住み込みでドラマー、奥田宗宏に師事した。その子息でプロデューサーの奥田英人氏は、人知れず努力する姿を知っている。

 「富樫さんのお父さんはベーシストで、最初はバイオリンを習っていた。あるとき、ウチの父がジャズドラマーの神様“マックス・ローチ”を目指せ−と話したそうです。そのローチも今月16日に亡くなった。練習の虫で食事をしていても、メロディーが浮かんだら食事を忘れてスティックを握っていた」

 日本が誇る音楽家がまたひとり去った。


[夕刊フジ]

タグ:富樫雅彦
posted by Jersey Bounce at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月18日

マックス・ローチにまつわる話


20世紀モダンジャズ最初のスタイル、ビーバップに関与した巨人の中で、数少ない存命者だった、ドラマーのマックス・ローチ(Max Roach)が天に召された(Rest In Peace)。

マックス・ローチは、黒人の地位向上のために闘争した急進的なジャズマン、としても知られた。

ほとんど知られていないエピソードとして、彼にはこんなことがあった。

白人社会で差別される黒人として、彼は必死でアメリカの社会制度や因習と闘った訳だが、来日した際は、日本人を小馬鹿にした態度だった、というのだ。

すでにプロフェッサーの地位を得ていたローチは、インタビューする日本の錚々たるジャズ評論家達に、かなり侮蔑的な受け答えをしたことを、故油井正一先生は思い出話として語ってくださったことがあった。


そういえば、同じ闘う黒人ジャズマンとして双璧をなした、ベースのチャールス・ミンガスも、性格的に偏屈だったり、彼自身の追及した世界はクラシック的な要素の強いものだったりしていたのが妙にちぐはぐに思えたものだ。
Jazzical Moods
Let My Children Hear Music 等

そしてなぜか、ローチも、ミンガスも、肌色の黒さは、マイルス・デイビスのような真っ黒けとは違い、薄目だった。

マイルスも、より白人的な洗練をコンセプトにジャズをリードしていったが、それでも政治的に積極的な闘争には加わることがなかった。


まあそれはそうと、「バップ・ドラムの開祖」ケニー・クラークに続き、実務的にビ・バップ〜ハード・バップへのドラム奏法を普及せしめたローチの初期について、私も若い頃非常に興味を持って探したことがあった。

1940年代チャーリー・パーカー・バンド時代のローチと、その後の自己バンドを持つようになって以降と、「バップドラマー」として、まるで別人のような奏法をしているからである。

50年代の完成されたローチ・スタイルこそが彼だ、と思うと、40年代の叩き方は、パーソネルの氏名欄を見ない限りは誰がドラマーなのかわからない。
同じくローチと双璧をなす、アート・ブレイキーも、40年代の奏法はまるで別人だ。

ローチの録音を、年月日順につぶさに聴いていくと、どうやら彼自身の中で1949年中に奏法上の革命が起きていたことまではレコードでつきとめた。

この突然の変化が何を意味しているのか、大変気になっていたところ、ある研究者の方が、R&Bドラマーの、アイク・デイとの出会いが契機になった、と教えてもらったことがあった。
しかし、その研究者の先生いわく、アイク・デイの奏法とローチの奏法は似ても似つかない、とのこと。

ますます深まる謎に、日本人にはコワモテでもいつかローチ大先生御本人と面会して確かめてみたいと思ううち幾星霜、訃報に接して改めて思い出した次第。
posted by Jersey Bounce at 01:19| Comment(0) | TrackBack(1) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月19日

超寡占的「世界最強レコード会社」は成立するのか?


水商売のレコード産業は、華やかに勃興しては消え、イコール、そのままで企業合併の教材にふさわしいような業界だ。

古くは、ブランズウィックやデッカといった大きな会社が消滅してしまった。

まだ記憶に新しいところでは、世界最大絶対安泰、と思われていたアメリカCBSコロムビアが、合弁会社だった日本のCBSソニーに吸収されてソニーレコードになってしまったのは衝撃的だった。
業界は違うが、その後セブンイレブンのサウスランド社がやはり日本の一のれん分けにすぎなかったイトーヨーカ堂にすっかり吸収されてしまった例も軒を貸して母屋を取られるのことわざや、戦国時代の下克上を思い出された方も多かったと思う。


昔のパターンでは、大資本メジャーレーベルは、正攻法のヒット作で競争しても、経営上はまったく異質の各々を尊重して乗っ取り戦争を仕掛けるようなことはなかった。

それが21世紀になってすっかり業界仁義が通用しなくなってきた。

CBS放送レコード社と、RCAビクターレコードは共に同格好敵手だった。
それが一昨年ソニーBMGとして一社にまとまってしまったのは、ソ連がアメリカと握手したのと同じぐらい衝撃だった。
ファンとしては、絶対にあり得ない話だと思いこまされてきたからだ。

これに等しい交渉としてハラハラしながら注目されているのが、アメリカのワーナーとイギリスEMIの交渉だ。

この話がまとまってしまうと、すでに出来あがっている旧デッカとポリドール系列のMCAと合わせて世界のレコード会社は事実上3社しかなくなってしまう。そうなると、せっかく個性豊かなディレクターがいても、会社の都合で事実上3つの個性しか音楽産業にはなくなってしまう。

ワーナー・ミュージック・グループは同社ウェブサイト上で声明を発表、EMIに対する買収を断念したことを伝える一方で、今後半年以内に、EMIに対する買収提案を行う権利は保持するとした。

一度決裂しておいて、半年以内にまた提案する権利、って、何だ??
そんな権利持つ資金があればカネも減る、双方従業員の神経も磨り減ることはしないで、まともにヒット作が出るようアーチスト交換契約でスーパーセッションをファンに送り出してやれば、双方立派に本業利益が拡大するのでは?

こう思うのは私だけだろうか・・・
posted by Jersey Bounce at 09:20| Comment(0) | TrackBack(1) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月18日

二村定一。戦前ジャズヴォーカルの礎



きょう、何気なくパソコンを開いたら、
昭和6年作品「茶目子の一日」アニメーション
という文字が出てきました。


なんとそこには、二村定一の氏名が!

学校の先生と、活動写真の役者の声を一人で演じているようです。

「読本」の授業内容が時代劇なのは、歴史を重んじる(当時の)大日本帝国として当然と思いますが、昭和6年当時、小学生の女の子が、チャンバラをお目当てに映画館行きをおねだしした、という時代背景だったことを知ったのは今日のおもしろい文化的収穫でした♪

後半、茶目子さんが学校で誉められた報告をすると、
お母様が、江戸言葉で返答する場面も、感動してしまいました。
昭和といえども戦後はもう、落語ぐらいでしか聞くことがなくなってしまった江戸言葉。

納豆売りのおばあさん、
通りの郵便ポスト、
大通りでは自動車に気をつけよう、
・・・という所までは、平成まで変わらない風景だったのだ!これも改めて感心してしまいました。
posted by Jersey Bounce at 15:49| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月10日

ジェリー伊藤さんRIP


ジェリー伊藤(vo)
1927年7月12日ニューヨーク生まれ。アメリカ国籍。ドラマチック・ワークショップ・オブ・ザ・ニュースクール・オブ・ソーシャルリサーチ卒業。
ブロードウエイと日本のミュージカルで成功。歌手、俳優、テレビタレント、ショーの司会、等マルチに文化を支えた功労者。

そんなダンディでステキなおじさまだった、ジャズ歌手のジェリー伊藤さんが天に召されました・・・

RIPとはジャズ界でよく使われる、安らかに、Rest In Peace の略号です。

スイングジャーナルジャズ人名事典によると、
ジェラルドT伊藤さん
と書かれていましたので、ミドルネームのTとは為吉さん、だということを御亡くなりになった訃報で初めて知りました。

また、五反田にお住まいだとばかり思っていたのですが、晩年アメリカへ帰られてカリフォルニアに自宅を構えそこで御亡くなりになったということも、ニュースを見て初めて知りました。

わたしは元気に若かった頃、テニスをしていました。
ジェリーさんは、テニスファンの芸能人として、よくテニスマガジンにも登場されていました。


さて。
思えば私の人生は、後悔ばかり。

アート・ペッパーは毎年日本に来る、だから来年でいい、と思っていたその年に突然亡くなってしまいました。

日本ジャズの生き証人、チャールス菊川さんのお宅まで訪問させていただきながら面会できずに帰ったり。
その後菊川さんは、ひっそりと亡くなってしまいました。

デューク・エリントン楽団専属日本人シンガーにまでのぼりつめた大原直美さんは、同じ町に住んでいながら、一度も歌声を聞かぬまま、がんでお亡くなりになってしまった。

恥多き私の人生。これからもまた、後悔を繰り返すのでしょう・・・
しかし、そんな間抜けな私を支えてくれる心の糧は、やはりスイングするジャズなのです。


ジェリー伊藤氏死去 映画「モスラ」などに出演
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/62958/
産経新聞


2007/07/09-20:09 俳優、歌手のジェリー伊藤氏死去
http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_30&k=2007070900858
時事通信
posted by Jersey Bounce at 03:18| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月09日

懐かしいねえ、1100円という廉価盤



はいはい、そこのマンボズボンのお兄さん!
ダンモな兄貴!
いかした姉ちゃん!
寄ってらっしゃい見てらっしゃい
結構毛だらけ猫灰だらけ!
灰だらけの猫ってのは、
海の向こうの英語で言やあハイになりっぱなしのキャットだよ!
キャットと言やあ、イカしたドンバー(バンド)


プレスティージが、1100円!
リバーサイドも、1100円!
コンテンポラリーも、1100円!
ファンタジーが、1100円!
持ってけ、ドロボー!

啖呵売の露天のおじさんも真っ青なことを、ユニバーサルがしてくれました。

この1100円という価格設定、
1970年代、日本コロムビアが、エソテリック、エベレストなどのマイナーレーベルの渋い佳作を大盤振る舞いしてくれた、ジャズファンには感謝のシリーズと全く同じコンセプトのようです。

「米国でリマスターされた音源をそのまま使用、解説書も付けないことで価格を抑えた。」

この解説書無し、輸入盤とおなじ感覚、までもが、日本コロムビア1100円シリーズの踏襲です。



posted by Jersey Bounce at 13:01| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブルーノート。昔、初任給。今や時給?で買える世に

今は昔、東京は新宿にマルミといふレコードをひさぐ店ありき。

レコードは高かった。
とりわけ当時の新技術、LPは高かった。

Long Playing Microgroove Non-Breakable HiFi STEREO

当時珍しかった「いかれた金持ち青年が聞く音楽、モダンジャズ」
ならば、なおさらだった。

なにしろマイナーレーベルばかりで輸入盤に頼るよりほかなかった。

1ドル=360円の固定相場制の時代。

単純計算、何でもアメリカの物は日本より3.6倍、高価だった。

おまけに関税がかかるのだから。

舶来品。という単語がステータスシンボルだった。

高度成長で所得も増えた代わり、どんどん物価が上がった昭和。
当時物価の七不思議の一つが、
どんなに物価が上がっても、タマゴとレコードの値段だけは変わらない。
と言われたものだった。

マルミのレコード1枚2500円は、当時の若者の初任給に匹敵した。

それゆえに、レコードが買えない普通のジャズファン救済のため、コーヒー代でレコードを聴かせてもらえるジャズ喫茶がおいしい商売として一世を風靡したのであった。


新宿にあった輸入レコード店「マルミ」については、故植草甚一の著書や、昭和一桁世代の皆さん方のホームページやブログに詳しいのでそちらに譲るとして。



私がジャズ入門者となった1970年代、
東芝音楽工業(のちの東芝EMI)が、「ブルーノート直輸入シリーズ」(輸入盤に東芝が日本語帯をつけて販売した)を販売し、地方のレコード店でも買えるようになったのは画期的なことだったと思う。


その後、正式ライセンスで国内プレスのブルーノートほか、ジャズでは3大レーベルといわれるプレスティージ、リバーサイドほか、サボイ、コンテンポラリー、パシフィックまでアタリマエのように販売されるようになったのはうれしい時代の変化だった。

話をブルーノートに戻すと、70年代後半から80年代初頭の一時期キングレコードにライセンスが移動したことがあった。
この時期のLPは希少価値があるということでコレクターには高値で取引もされているらしい。


1ヶ月、水だけで生き延びて、「教祖マルミのおじさん」から問答無用で買いなさい、と言われるとおりに2500円のブルーノートを買ったオールドファンの皆さんは、欲しいものは何でも限りなく安く手に入る今の情報洪水、レコード産業の廉価化、低収益構造不況産業化を、きっと複雑な気持ちで受けとめていることでしょう。


なにはともあれ、ブルーノート、1700円はうれしいじゃないですか。
posted by Jersey Bounce at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月06日

空からお金が降ってきた!はジャズの名曲

ジャズファンなら、「あのスタンダードの名曲が現実に!?」と思ったに違いない!

なんとまあ風流じゃありませんか。
花のお江戸の隅田川は言問橋で。
七夕様の前日に。
なんと
空からお金が降ってきた!


「お札が降ってきた」 東京・墨田区の路上
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/61453
産経新聞iza

<お札>突然空から?…4万6000円回収 東京・墨田
http://news.livedoor.com/article/detail/3224254/
ライブドアニュース・毎日新聞

そしてなんと、奇しくもその前日には、ドイツのボルムス市という町でも、同様の現象が起きていたのです!!!

空からお金が降ってきた!! ドイツ
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081183778500.html
エキサイト世界びっくりニュース・ロイター通信社



ジャズファンにはおなじみ、「黄金の雨」または「空からお金が降ってきた」
と邦訳される

”Pennies From Heaven”

が、21世紀になって、東京の下町とドイツの町で現実になったのである!

元歌はペニー(1セント硬貨)だから、邦訳の黄金の雨、というほど豪勢じゃない、庶民のための小銭の雨、ですが、まんが家でジャズ歌手の水森亜土さんは、これを堂々と「空からペニスが降ってきた〜!」と歌うことで有名です。
いくつになっても可愛い亜土ちゃんだから許される!?
いや、亜土ちゃんの正直な願望だ!?
諸説いろいろあって、いいんじゃないでしょうか(笑)



さて、ご存知ない方には、次にご紹介するページで試聴できます。


Susie Arioli Swing Band
レーベル=Justin Time Records

空から降ってくるお金を想像しながら、聴いてみませんか♪
posted by Jersey Bounce at 16:02| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz独白 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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